AppleがGoogleの時価総額を追い抜く

ついにAppleがGoogleの時価総額を追い抜きました。

一瞬の出来事か、それともこれは何かの節目と見るべきか。

僕がWeb2.0ファイナンスサービスの企画を考えるときにいつも念頭に置いているのはGoogleでした。Googleならどうするだろう?とかGoogleのテクノロジーがあればどういうサービスに仕上がるだろう?とかそのイメージとWeb2.0系の共有サービスを組み合わせて企画を練るのが基本でした。

Googleにはまだまだ無限の市場拡大の可能性を秘めていると思うのですが、それは新しいサービスやテクノロジーというよりも市場規模がまだ世界中に広がって行くことだと思います。インターネットを使う人はまだまだ増えますし、その技術を応用できる範囲もまだ広がるでしょう。広告もまだまだGoogleに流れて行くと思います。

ところが市場の期待はPCシェアがたった5%くらいしかないAppleに向いています。これが何を意味しているかきちんと整理しておきましょう。
MacのシェアはWindowsに比べてはるかに小さいものです。ところが成長率で言うとMacに切り替えている人はかなり多いでしょう。現段階のシェアよりも成長率が重視されているのは明白です。

さらにAppleにはiPodiPhoneというモバイルデバイス市場を切り開いています。iPodはシェア80%くらいあって圧倒的でそれが今の株価のベースになっていますが、iPhoneの成長率に目を向けるべきでしょう。

それはiPhone上のアプリケーション市場の成長率にも当てはまることです。これまで世界中のエンジニアはモバイル上でアプリケーションを作りたいと思ってもキャリアやメーカーの規制や仕様がころころ変わるので大変な労力を強いられていました。ところがiPhoneは2Gを合わせてまだ750万台くらいしか普及していませんが、これから2、3年後にはiPodのように広がり、おそらく全世界で見れば3000万台くらい行く可能性を秘めていると思います。

3000万台の単一プラットフォームと言えば、それはもう立派な市場ができあがります。Googleはウェブプラットフォームを使いやすくオープンにしてくれますが、iTunesのような課金システムを持ちません。唯一AdSenseで収益を上げるしか道がありません。ところがAppleiTunesを使ってコンテンツのみならずアプリケーションを配布できる力を持っています。

もう一つの可能性としてAppleが進出していない生活空間があります。それはリビングルームです。僕は近い将来必ずAppleはサムソンかどこから液晶パネルを調達してクールなデジタル液晶テレビを出すと信じています。AppleTVは出ていますので次はiTVでしょう。

Appleのブランドはリビングルームにこそ最もふさわしいと思っているのは僕だけではありません。何よりも美しさを優先するスティーブ・ジョブズが最後に世界を驚かせる製品はテレビであることを期待しています。

僕はいつかリビングルームにリンゴマークのついた白い大型液晶テレビが掛けられる未来を想像しています。(黒もあるでしょうね)

生活空間のあらゆる場面をネットとデジタル化するApple
情報、書籍、音楽、写真、映像、ゲーム、ショッピング、アプリケーション、MaciPhone/iPodiTViTunesと滑らかなユーザインターフェースがシームレスにつながる日はそう遠くないでしょう。
プロダクトとソフトウェアに美しさを求めるスティーブ・ジョブズならきっとそうすると信じています。

SBI Robo 渡部薫