フィードを食べる

現在僕が取り組んでいるのがこの"フィード"です。
フィードはわかりやすい言葉で言えばRSSとかXMLと言いますが、もっとわかりやすく言えばこれまでウェブにはHTMLで記述されていたページだっため、みんなはウェブブラウザを使わないと見れなかったのですが、RSSだとメールのような感覚で読むことができるようになるという違いがあります。RSS については以前QAで詳しくお答えしましたので参照ください。

2005年〜2007年はSNSなどで人間がデジタル化された年です。2007年はほぼそれが完成した年といっていいでしょう。なので2007年までに SNSやブログになじめなかった人はウェブに住む第一世代ではありません。この最初のウェブ型人間は次の進化に進んでいます。

次の進化、それがフィードです。FacebookiGoogleを使った人なら情報がどのように配信されてきているか感じることができるでしょう。もし iGoogleをMyYahoo!と変わらないのじゃないかと感じれば、それはフィードを知らないということだと思います。MyYahoo!はフィードは使っていません。

フィードは英語でFeed、文字通り、食料を与える(食べる)という意味です。僕は兼ねてよりデジタル化された人間が生きていくのに必要なのは水でも食料でもなく、ましてやお金でもなく情報だということを言ってきています。それは今の人間が情報を食べて生きているから、という定義だからです。

情報を食べる、ということをウェブの用語で言うとフィード、ということになります。
SBI Roboになって約1年経つのですが、最初の1年は検索エンジンをベースに情報を整理し、関連性を見出し、かつ情報と情報の人間関係ソーシャルグラフをロボット化することに集中しました。

今、取り組んでいるのはすべてをフィード化し、とくに人間そのものをフィード化すること、そのフィードにソーシャルグラフを埋め込み、人間関係の中にフィードを配信するという仕組みです。

もっとわかりやすく言うと、みなさんが触れている情報は次のように例えられます。

Yahoo!で毎日ニュースや情報を得ている人は、レストランでありきたりのメニューの料理を食べているようなものです。(安心なものを手軽にという発想)

Googleで情報を得ている人はウォルマート(スーパー)で冷凍食品を買ってレンジでチンとして食べているようなものであり、マクドナルドのようなファストフードを食べているようなものです。(必要なものをすぐにという発想)

フィードを使っている人は、料理の材料を「自分で選び」そして「自分で料理」して食べる人です。面倒ですが食べるものとしては自分で作りたいという派です。

さてみなさんは料理を食べるとき、一人ですか、それとも家族と一緒ですか、友だちが一緒ですか。いろんなシーンがあると思いますが、情報を食べるときも同じなんです。自分だけ、家族と共有、友だちと共有する、という仕組みがあるんです。

それを実現するのがフィードとソーシャルグラフです。
なんとなくフィードとソーシャルグラフが作り出す情報社会の姿が見えてきたでしょうか。世の中専門的なITの用語も結局は何かに置き換えて説明ができるものです。

こうした技術を使ってSBIのウェブを次の進化のステージに持っていくことが当面の使命です。

SBI Robo 渡部薫