アニメはファッション化の流れ?

ケータイのようにここまでほとんどの人が持つようになると次の二極化が起こります。ものすごくふつうな端末、万人受けする端末と尖った端末(デザインな端
末)です。欧米の端末に比べて日本のデザインはどれも同じような折りたたみ式に偏るのは日本人があまり尖った端末を好まない普通でいたい、ということの表
れでしょう。ヨーロッパでは一部のセレブや超が付くお金持ち向けに数百万円するようなエレガントな端末があるにも関わらず、そのような端末は日本で出てく
ることはありません。これはケータイを身につけるファッションとしての感覚がまだヨーロッパの方が強い、ということもあり得ます。



最近ソフトバンクモバイルではコラボな端末が出てきていますが、キティちゃん、ガッチャマンシャア専用だったりとアニメ/キャラクター端末ばかりです。ディズニーは微妙にその部類に入る部分と入らない部分がありますが、アニメ化しているという点では変わりません。



一方auやドコモはまだそこまで端末のアニメ化はしておらず、auは正当派なデザイン端末としてINFOBAR2と出してきています。ドコモもインテリアデザインのamadanaモデルを出してきました。



このようにケータイを身に着けるもの、アクセサリーの一種と考えるとそこには尖ったもの、他人とは違うもの、というデザインの要素が盛り込まれていくこと
になります。ヨーロッパの携帯電話のカンファレンスではファッションショーも一緒に行われることが多く、そのような場合、最先端のファッションにあった最
先端のモデルデザインが必要になってきます。



デザインというのは、0から生まれるよりもどれだけたくさんのものを見てきて、感性の中にイメージの在庫を持っているかで決まると思っています。それらを時代のニーズやトレンド、色、ムーブメントと組み合わせる能力がデザインに生かされていきます。



そういう意味において日本のアニメとマンガの素材は感性をインスパイアさせるヒントがたくさん詰まっているのです。アニメがファッション化する、というと
コスプレのようなものをイメージしがちですが、そうではなく、あくまでデザイナーやクリエーターの創造力にアニメやマンガが影響力を持っている、という意
味です。



その昔、葛飾北斎は日本よりも、海外で評価されました。印象派のモネは日本の芸術に影響を受けた画家の一人として有名ですね。今、日本でオタクとか、アニ
メとかコミケとか国内では違った意味で見られているアートはインターネットの力によって世界のアートにどのような影響を及ぼしていくのでしょうか。

SBI Robo 渡部薫