色々なオススメについて2

話の流れから、行動ターゲティングによる方法についても触れておかないといけません。国内においては、ネットよりもリアルで先行しました。J-Phone (SoftBank) のステーションと、小田急電鉄の「グーパス(2008年3月末にサービス終了。)」です。

小田急電鉄グーパスは、自動改札定期券と携帯電話とが紐づいており、自動改札を通過すると携帯電話にメールが届くというものです。場所、時間と利用者属性を組み合わせた方法です。現在は、そのインフラは子供が自動改札を通過したときにメールが届く「小田急あんしんグーパスIC」に引き継がれています。

位置情報とメールという組み合わせでは、SoftBankステーションが他にない素晴らしいプッシュ型のプラットフォームです。3G 端末向けではなく 2G 端末向けのサービスなのが残念ですが、J-Phone の端末を使っていたときには、ユニークなサービスが多数あったと記憶しています。

ネットに話を戻すと、Google は直前の検索結果と、今回の検索結果を組み合わせた、検索行動履歴に基づく広告を試み、誰かに紐付けるのではなく、同一検索セッション内の履歴に限定して広告精度を向上させました。プライバシーに対して慎重な姿勢だと言えます。現在 AdWords では、一部の広告ネットワーク(MySpace, Friendster, YouTube など)に対して、年齢と性別をターゲットに指定できます行動ターゲティングと人口統計的 (demographic) ターゲティングの組み合わせということです。最近 SNS に熱心なのも、属性のある広告ネットワークという観点でうなづけます。

Yahoo! JAPAN は、Yahoo! ポータル以下のコンテンツへの行動履歴を積極的に活用した行動ターゲティング広告展開しています。さらに、年齢、性別、地域というマーケティング的に正規化するための情報を加えてきています。

Amazon では、最近のクリック履歴(商品詳細を見た履歴)が列挙され、それに関連したものがオススメされますので、行動ターゲティングの要素も取り込んでいます。

やりすぎると、かつてのスパイウェアを思い出させ、プライバシーの問題と衝突することになりますが、個人を特定しない情報と行動履歴の組み合わせというのは、ギリギリ受け入れられているということなのでしょう(個人的には気持ち悪いと思う領域に入っていると感じています。)。

森田