アプリケーションこそが本道 3回分
コンテンツ、アプリケーション、プラットフォーム、明確に違いや特徴を理解し説明できますか。またこの3つの中でどれを重要視するかによってサービスの形態が変わってきます。僕はこの中で最も重視するのがアプリケーションです。
■コンテンツ
■アプリケーション
■プラットフォーム
現実社会のビジネスに例えれば、プラットフォームは立地を意味します。銀座と地方都市どちらがいいですか、という質問にはそれはやはり銀座の方がいいでしょう。当たり前の話ですが、プラットフォームの優越は単純に人が集まるかどうかの潜在市場価値にあります。立地さえよければ、というのもこういう理由からでしょう。WindowsとMacの戦い、、任天堂、PS3、XBoxなどもプラットフォームの戦いです。
次にアプリケーションですが、これは例えると店舗の業態を表します。セブンイレブン、スターバックス、三越、ユニクロなどどのようにものを販売するか創意工夫を凝らしたものにあたります。セブンイレブンと三越のアプリケーションの違いはPOSシステム(情報システム)の運用の違いにあるようにこの場合アプリケーションの優越ではなく、時代やライフタイル、立地条件、もろもろの条件に最も合ったアプリケーションが優位に立ちます。
コンテンツは、これは例えるまでもないと思いますがセブンイレブンでいうとおにぎりとかジュース、お菓子、雑誌といったものになるし、三越だと洋服やアクセサリー、化粧品、食料品にあたります。
これをウェブサービスに当てはめて考えてみます。
Yahoo!はまさに立地で勝負しているサービスです。アプリケーションといえばオークションやYahoo!メールがその代表的なものになります。コンテンツについてはいえばニュースやファイナンス、動画などになります。
SBI 証券はどちらかというと株取引というウェブアプリケーションサービスですが、立地もいいところを押さえている、という状況です。一方コンテンツという面ではファイナンス情報に限られるので一般人を広く取り込むには向いていません。
コンテンツ、アプリケーション、プラットフォームでいうと提供者の数は少なくなります。
コンテンツ提供者>アプリケーション提供者>プラットフォーム提供者
ビジネスで一番おいしいポジションはどんな分野においてもプラットフォーム提供者になることですが、競争が激しく勝者は限りなく少なくなります。
なぜ今日そんな話をしているかというと、ウェブ、というものを見るとこの10年間ウェブはどちらかというとコンテンツプラットフォームだったわけです。ウェブプラットフォームとウェブコンテンツです。ところがここ2、3年状況が変わってきており、ウェブはどうやらアプリケーションプラットフォームになりつつあります。そしてそれが2008年劇的に変わりそうな節目に来ていると思います。
ウェブアプリケーションが今後どのように展開され、またモバイルの世界に導入されていく可能性があるか、数回に分けて考察したいと思います。
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ウェブというプラットフォームがコンテンツプラットフォームからアプリケーションプラットフォームへ移行しつつある傾向はいくつも出ています。
それは今のマイクロソフトの現状の見ればよく理解できるのではないかと思います。
マイクロソフトはコンピュータソフトウェアの支配者です。OSを抑え、Officeを抑えました。これが今日のマイクロソフトの力の源泉になっているのは間違いなく、日本を含め世界中の企業が二度とこのような独占的な状況にならないぞ、と誓っているわけです。
15年前にインターネットが爆発的に普及し始めて、マイクロソフトが最初に危機感を持ったのがYahoo!でもAmazonでもなく、対ネットスケープでした。これはネットスケープがブラウザというアプリケーションを持っていたからです。そういう意味でマイクロソフトはブラウザというソフトウェア(アプリケーション)を抑えてしまえばウェブもまた支配下におけると考えたことでしょう。
ところが実際にはウェブを支配したのはGoogleなんです。マイクロソフトはYahoo!に対抗してポータルMSNは作りましたが、検索エンジンに対してはまったくの危機感を持っておらず放置したわけです。
検索エンジンというのは手元のPCでは動かず、ウェブ側で動く現在最強のウェブアプリケーションとしてAdWordsを入れると最強のビジネスモデルとしても機能しています。
Google最強伝説にはインストール型のアプリケーションもなく、ましてはGoogleはコンテンツを何一つ保持していないという点でこれまでと全く違うプラットフォーム支配者として君臨しています。今日Googleの戦略はGoogleプラットフォームをAPIで公開し、Googleの上にアプリケーションを作ってもらうことを推進しています。Google MapとGmailはGoogle Searchに次いで最強のウェブアプリケーションとしてこれまでのインストール型アプリケーションを駆逐させています。さようならOutlookです。次はOfficeが標的にされているわけです。
さて、そんな戦いをここ数年繰り広げているマイクロソフトとGoogleですが、そこに誰も想像していなかった新たな敵が登場しました。Facebookです。僕がFacebookに注目するのはこれが世界No2のSNSだからではありません。(No1はMySpace)
Googleを検索エンジン会社だと思っていればGoogleを見誤るように、FacebookをSNS会社だと思っていたらFacebookの本質を見誤るでしょう。
僕はFacebookこそが次世代ウェブアプリケーションプラットフォームだという確信をしています。もちろんここに脅威を感じているGoogleとマイクロソフトはかなりの投資をしているわけなので、最終的にFacebookが勝ち残るのかどうかはわかりませんが、アプリケーションの世界はFacebookを向いているのは間違いありません。
そして最近もう一つの伏兵が現れました。それがiPhoneです。Appleが提供するiPhoneSDKは今世界中のエンジニアを虜にしています。優秀なエンジニアは今こう悩んでいることでしょう。どのプラットフォームでアプリを開発するか。
Windows? ありえないな。
Google? いや、もうそろそろ飽きたな。
Facebook? う〜ん、やみぃ〜(おいしそう)、やる価値はあるな。
iPhone? お〜、可能性を感じる。
という具合でしょうか。
この10数年、ウェブの世界は、Yahoo!、Amazon、eBayなどなどウェブ上のコンテンツ(情報)流通者として名を馳せていたわけです。コンテンツを支配すればウェブを支配できると思っている人もいるのかもしれません。コンテンツは確かに重要ですが、コンテンツをいくら囲ってもそれほど有利になれるとは思えないです。
重要なのは自分たちのウェブサービスにどれだけ創造性のあるアプリケーションを作ってもらえるか、という戦略にそろそろ切り替えていかないといけない時期に来たようです。あまり詳しくは書けないですが、過去のコンピュータの歴史を見れば、最後に勝つのはアプリケーションプラットフォーマーになったものです。
この戦略が取るには、よほどソフトウェアの基本技術に精通してビジョンが描けないと難しいでしょう。
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これまで2回に分けていかにアプリケーションプラットフォームを手中に収めていくことが重要か話をしてきました。その中で下記の通り、現在のアプリケーションプラットフォームの可能性についても言及しました。
Windows? ありえないな。
Google? いや、もうそろそろ飽きたな。
Facebook? う〜ん、やみぃ〜(おいしそう)、やる価値はあるな。
iPhone? お〜、可能性を感じる。
今日、Appleの好調ぶりが記事になっています。
アップル、Q2業績絶好調で前進まっしぐら
今年中に1000万台のiPhoneを販売することを見込んでいる。
Appleは、iPhone 2.0について6月下旬の発売を示唆した。SDKのダウンロード数はこれまでに20万件以上で、「フォーチュン500企業の1/3」が新iPhoneのエンタープライズ向け機能に関心を示している。