情報の伝播スピード

さいころ、池に石を投げて水面の波紋の広がりを眺めるのが好きでした。
均等に同じスピードで広がっていく波紋には不思議な思いをしたものです。高校生になって物理学を学んだときに、目に見える水面の波紋が電波として同じように広がっていくことを聞いてさらに不思議に思い感銘を受けたことを覚えています。そのあとアインシュタイン相対性理論を学んだとき、光は物質の性質を持つだけでなく、波の性質を持ちあわせることを知ったとき、さらに不思議な思いがしました。そして世の中には光より速く進めるものが存在しないというのもずっと頭の中に残っていました。

今、僕の頭の中には毎日情報と言う石がウェブという池の中に投げ入れられ、一つの情報が波紋のように世界中に広がっていくシーンを思い浮かべることができます。そしてウェブが登場する前は情報は物質的な性質を持った直線的に通じていく性質だと思っていたものが、波の性質を併せもっていることを感じます。

ウェブが相対性理論のような役割を果たすとすれば、情報とは光なのかもしれません。光より速く移動するものはない、それは情報は光の速さで伝播する性質を持ったもの、という感覚です。

今、ウェブの世界では20世紀の人間が信じられないほどのスピードで情報が広がっていきます。波紋に触れるためにはその池の中に自分がいなければなりません。池の中にいなければ波の広がりは見ることはできるかもしれませんが、決して触れることはできないです。みなさんはウェブという池に入っていますか。見ているだけでは本当のウェブの速さを実感することはできません。

SBI Robo 渡部薫