MicrosoftのYahoo!買収提案、ウェブは2強対2強の時代に?



ついにというか、とうとうというか、これまでにも何度もうわさが出ていたが正式にMSからYahoo!へ買収提案が出されました。


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僕が最初にこのうわさを聞いたのは2005年の中頃でソフトバンク時代に孫社長とのMTGの中で、MicrosoftYahoo! Incを買収したがっている、という話でした。そのころからMSは頻繁にYahoo!へ買収提案をしかけていたと思われます。













さて、昨年末に2007年のネットのトレンドを振り返る、というレポート(会議)を書きました。これはSBIグループの方々に紹介した内容ですが、Microsoftのところで2008年からMSの本格的な反撃が始まり、2010年くらいにひとつの完成系として仕上がる、というものです。


MSのGoogleへの反撃準備は2004年から始まっており、GoogleIPOしたときビル・ゲイツ氏とスティーブ・バルマー氏はGoogleを放置したのはNetScape以来最大の誤ち、ということを認め、ブラウザ戦争を終結させて、検索戦争に突入することを宣言しました。その結果、Windows File SystemはWindows Liveとして姿を変え、Vistaに標準搭載されるに至りました。Live SearchはMSNからWindowsの本流に引き継がれ、膨大な研究開発費がLiveにつぎ込まれることになりました。


2004年から3年が経ち、MSは多くのアプリケーションをLiveに移行させる準備が整ってきました。僕はLiveをずっと観察してきましたが、LiveサーチはまだまだGoogleYSTに劣りますが、Liveメール、Office Live、Liveメッセンジャー、Live Space、Liveフォトなど使い勝手のよいものもたくさんあります。現在これらはまだばらばらに運用されているのですが、近い将来Windows OSかMSNから統合し、より使いやすいものへ進化するのは明らかでしょう。そういう意味においても2008年から本格的にMicrosoftの帝国の逆襲が始まると予想していました。


そして2008年早々にエンタープライズのサーチテクノロジーの強化の一環としてFASTの買収に始まり、そして昨日正式にYahoo!買収を宣言したわけです。ここに至り、2004年から続いたウェブの三国史時代、Yahoo!GoogleMicrosoftの3強時代は終わりを告げ、2強時代に入ったと言っていいでしょう。


しかしながらこれは次の10年のウェブの戦いの始まりに過ぎず、またGoogleMicrosoftにとって検索以外のウェブの新勢力への戦いの火蓋が切られたという証に過ぎません。これからはインターネット企業対ウェブ企業の戦いとなり、新たな2強が存在することを示唆しておきます。


つづく