GoogleのKnol

Googleknolの発表は、この記事に書いている通りの内容ですが、注目すべき点をいくつかあげておきます。

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Googleのやっていることが変化しつつあるように思えるのは私だけだろうか?

私の見るところ、Googleは他のサイトで作られたコンテンツから情報を漉しとって集約、総合するという会社だったのが、自分自身で最終的にコントロールできる(あるいはそのためのテクノロジー)コンテンツを制作する(あるいは買い取る)方向に変貌しつつある。

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Googleにないものは自分たちのコンテンツです。Googleは自分たちでコンテンツを持たないで、クロールして情報を整理することが主な使命でした。これがここに来てなぜこのような方向転換を検討するようになったのでしょうか。

ひとつにはCGMコンテンツの爆発的な増加によってGoogleのランキングアルゴリズムが機能しなくなりつつあるということ。SBI
Businessでも証明していきますが、明らかに著作権やプライバシー、クソ情報が検索結果の上位を占める場合がある。このような情報のノイズ、操作を
Googleは望まない、ということでしょう。



一方YouTubeは自社でコンテンツを制作していないにも関わらず世界中の動画の所有者になっている点でこれまでのGoogleモデルと異なります。Google検索結果は次の情報への出発点だったのに、YouTubeは到着点になっています。



Knolのひとつの役割として、Google検索に情報の出発点と到着点を用意し、さらにノイズによるランキングアルゴリズムの修正をKnolコンテンツで行おうという試みだと読み取れます。



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GoogleKnol
が「権威ある情報のページ」となることを期待している。「knolの記事は、一般ユーザーが自分の知らないトピックについて初めてGoogleで検索した
とき、最初に読むのにふさわしい記事」にするというのは、Wikipediaに対する直接の挑戦だ

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僕も何度も指摘してきている通り、Googleの検索結果は正しくない場合があります。正しくない情報が配信されるほうがリスクなのは明白です。Googleは正しい情報が少なくてもひとつは返す方法を模索していると考えられます。SBI

Businessの自分のビジネスプロフィールを持とう、というコンセプトと同じです。



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私は以前から「Googleこそ主であり救い主である」理論の信奉者で、プライバシーとかそういった問題に関する懸念はとうに捨てている。

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ウェブ、検索、Google、デジタル情報化社会にプライバシーはありません。隠すことはできないのです。隠せないのなら、自らその技術を利用するしかないのではないでしょうか。



Knolが成功するかどうか、これはGoogleの検索結果の1位がどのような価値を持っているか証明することにもなるでしょう。多くの言葉で
Wikipediaが上位に出てきますが、Wikipediaの情報の信頼性が揺らぎ始めているからこそ、Googleはこのような取り組みを行うのだと
思います。



僕は検索エンジンで何かを検索してその1位になることは20世紀一流の大学を出て首席で卒業するのと同じくらいの価値を生むのではないかと想像しています。

要するに情報であれ、コンテンツであれ、そして人間であれ、検索されてなんぼ、上位を取れてなんぼ、という情報資本主義社会がやってきた、ということです。学校に行く暇があったら自分をしっかり最適化することです。

SBI Robo 渡部薫