なぜサーチが必要なのですか?
何回かに分けてお話していきたいと思います。
「なぜ(ウェブサイト)にサーチが必要なのですか?」
これはどう答えるべきかとても難しい質問です。まずひとつに当たり前すぎてどうして質問になるのかそれが難しい点と、理論的、技術的に説明すればいいのか、費用対効果で説明すべきなのか、それとも全部ひっくるめて説明が必要なのかその判断が難しいのです。
僕にとってサーチはウェブサービスには当たり前になければならない機能ですが、サーチを重要視していない人にはなぜサーチが必要なのかわからないばかりか、導入するにはそれなりの理由が必要なようです。
少し質問を変えてみたいと思います。
「なぜ(人間に)言葉が必要なのですか?」
こうした質問をする人はいるでしょうか。なぜなら人間に言葉が必要なのは当たり前すぎて、質問する人はほとんどいないと思えるからです。
ここに一枚のプレゼンの絵をあげておきます。これは2005年の末に僕がソフトバンクにいたとき、孫正義社長にソフトバンクRoboを作ってほしいとプレ
ゼンしたときの資料の一部です。400枚ほどある資料の中で、この1枚がサーチエンジン、すなわちGoogleとは何か、というのを表した一枚で、これが
ソフトバンクRoboを作る意味、ということで説明した資料です。この絵を見た孫社長は笑いながら「お前の説明はわかりやすい」と言いました。
今はSBI
Roboですが、前身はソフトバンクRoboです。なぜRoboかというとRobot(ロボット)のRoboから取っているわけで、ソフトウェアロボット
という意味も込めてRoboにしてあります。すなわちサーチエンジンをソフトウェアロボットとして扱っていて、人間とコミュニケーションできる人造人間に
しているのです。
ではもう一度最初の質問に戻ってみます。
「なぜ人間に言葉が必要なのですか?」
「なぜウェブサイトにサーチが必要なのですか?」
「なぜロボットにサーチが必要なのですか?」
「なぜロボットに言葉が必要なのですか?」
もしウェブサイトを情報発信のメディアだと思っていたら、人間のような言葉は必要ではないでしょう。ショッピングサイトのように単なる注文発注サイトであれば、言葉は必要ないでしょう。
僕がしきりに言っているのはウェブサイトはロボットなんです。しかも知能を持ったロボットです。それがサーチエンジンなのです。
Googleはサーチというコミュニケーションロボット
サルは(ジャングルという)場所の支配者
人間は世界の支配者でその支配力は言葉から来ている。
とても極端な比喩ですが、人類の歴史がすでに証明していることです。
SBI Robo 渡部薫