Yahoo!とYahoo! Japanとソフトバンク?

Yahoo!が独立を保てたことで、とりあえず孫社長はほっとしていることでしょう。まずYahoo!
Japanのサーチテクノロジーと広告プラットフォームはYahoo!
Incに依存しており、これがマイクロソフトの買収によって影響を受けるのはさけたいところだと思うし、これからはケータイの時代なので日本発、米国、中
国、欧州とグローバル展開したいと思っているのでソフトバンクYahoo!、アリババはフォーメンションとして強化したいところだろう。



米国では一部Yahoo!は再度マイクロソフトと交渉が進むのではないかという期待もあり、株価も少し戻ったようだが、今日来日したビル・ゲイツ氏によると、この買収劇は終わったようだ。



今後ソフトバンクがネットで取るだろうと思われる戦略は、日本国内より、モバイルウェブというグローバルでよりパーソナルに近いモバイルパーソナルウェブの世界だろう。



国内のソフトバンクケータイユーザが明日いきなり3000万人になったりはしない。毎月20万人純増しても年間たったの240万人にすぎずこのままのペー
スが続いてもドコモに追いつくのは10年以上先の話になってしまう。それよりもキャリアの枠を超えたモバイルウェブで国内はもとよりグローバルに制覇した
いと思うのでは当然である。



・国内最大のYahoo! Japan

・中国アリババ

OPI(中国最大手のSNSシャオネイ)への400億円の出資

Vodafone、チャイナモバイルとの合弁会社設立



1996年はYahoo! Japanが設立された年だが、2008年は新しいウェブ、モバイルパーソナルウェブの世界にソフトバンクが新しいウェブカンパニーを興す年になるかもしれない。



ざっくりした数だが、ソフトバンクモバイルで1800万人、チャイナモバイルで5.7億人〜、Vodafone全世界で5億人〜くらいいるはずなので10億人へリーチできる入り口を持っていることになる。



2008年をモバイルインターネット元年と位置づけているだけに、これからは日本で培ったモバイルウェブのノウハウをGoogleより先に展開していくこ
とが重要であろう。そのための、ポータルとしてのYahoo!、オークション、ショッピング、決済のアリババ、SNSソーシャルグラフのシャオネイ
OPI)と勝負をかけてきているのだと思う。



決算発表でも言われている通り、Googleの支配力は日本、韓国、中国では弱く、モバイルでも同様のことが起きると考えられるかもしれない。ただ実際は
Yahoo!も韓国や中国では成功しておらず、いかにローカルなサービスとタッグを組めるかが大きなポイントになるだろう。



そういう意味でもYahoo! Incはソフトバンクにとって大きな技術支援企業であり、米国の敵、Googleマイクロソフトなどを牽制する上でもマイクロソフトの傘下に入ってほしくなったと思われる。



Yahoo!マイクロソフトの傘下になればそれなりに戦略を描けなくもないが、独立していた方がやりやすいのは確かだろうし、Yahoo! Incにしてもこの大きな枠組みの中で再逆転というシナリオも描けなくない。



まずはグローバルに戦う陣営が必要であり、それを確立する必要があったと思う。



一方、ウェブの世界は僕の予想通り、GoogleAmazonクラウドコンピューティングで一歩、二歩抜け出している。このままアプリケーションが
ウェブを中心に走るようになるとこの両者の戦いが激しさを増すだろう。またFacebookに代表されるソーシャルグラフによるアプリケーションプラット
フォームが固まれば、キャリはGoogleだけでなくFacebookと組む可能性も出てくる。Appleの次期MacOSXにはよりGoogleのウェ
ブアプリケーションが組み込まれたOSになると噂されており、その延長線上にiPhoneプラットフォームが新しい流れを作るかもしれない。
Androidは未知数だが、Googleはネットワークを押さえず、ウェブをオープンにすることによってモバイルの世界も支配しようと試みている。イン
フラを持たない分、資金力に勝り、開発力を持っているだけにその流れが出来てしまうとユーザはキャリアや端末を問わずワンサービスを利用できることになる
だろう。



まったく想像もしていなかった伏兵が出てくる可能性もあり、これからのモバイルウェブの5年はエキサイティングものになるのではないだろうか。



明日の決算発表ではそうしたモバイルウェブへの取り組みの戦略およびフォーメーションの話が聞けるのではないかと思う。楽しみですね。