ウェブにおける実名制の価値

実名登録のビジネス専用SNS「SBI Business」登録会員数10,000人突破のお知らせ

◆人、会社、ビジネスのソーシャルグラフ
SBI Business

昨日、SBI Businessの実名ビジネスパーソンの登録者数が1万人を突破いたしました。サービス開始以前は日本で実名登録制による、しかもプロフィール公開型のサービスは受け入れられないと多くの方々から懸念されていましたが、順調に伸びています。

SBI Businessはビジネス専用のSNSの要素を持ちますが、ブログ(日記)機能はなく、どちらかといえばプロフィールサービスに近いものです。その目的は、プレスリリースに書いてあるとおり、自分の情報を正しく伝えるための必要性の高まりと、ウェブ社会における個人情報および人格の信頼を担保する仕組みへのニーズの高まりが背景にあります。またこの部分においてSBI BusinessはmixiFacebookMySpace、その他ブログやプロフィールサービスとはまったく異なるコンセプトのサービスであり特徴になっています。

自分や身近な家族、友人、恋人を検索したことがある人ならわかると思いますが、思いのほか自分に関する情報がウェブに公開されています。自分で書いたのか、第三者が悪気なく書いたのかわかりませんが、そのような情報がGoogleYahoo!検索で独り歩きしているのが現状です。特にビジネスパーソンにとっては誤解を与えるような内容が公開されていると将来のキャリアアップに不利益をもたらすでしょう。

ウェブ時代における僕たちのプライバシーや個人情報が隠されることによって守られるのではなく、公開することによって守られるという発想はなかなか理解し難いかもしれません。自分のアイデンティティー(人格)そのものである名前で検索されたときの検索結果の順位は多くの人にとってウェブのロングテール理論に当てはまり、上位を確保することは将来にわたり利益をもたらすことでしょう。

名刺交換をしたあと、取引先の人が自分を検索しているところを想像してみてください。
就職、転職活動しているとき人事担当者が自分を検索しているところを想像してみてください。
子どもがネット教育を受け、お父さんの名前を検索して検索結果を見たときのことを想像してみてください。

みなさんはそのようなシチュエーションに準備ができているでしょうか。

自分の名前をウェブ上に書き込む、公開することを心配したり不安に思っている方は多いと思いますが、「名前だけ」なら何の害もありません。重要なのは自分でコントロールできる名前のページを持っていることです。SBI Businessの登録者の多くはまだ名前しか登録していません。それでも1〜2ヶ月もすればGoogleYahoo!の検索の上位に表示されるようになるのでそのときになって、または必要に迫られてからプロフィール内容を更新すればよいのです。これは昔企業がこぞっていいドメイン名を取得していたのと似ていますし、現在企業が一生懸命SEO対策していることも将来はそれが自分に当てはまるということを証明しているに過ぎません。

なぜウェブはこのような状況になってきているのでしょうか。それはやはりGoogleが検索というものを身近なものにしたのが大きいです。そして今国内の携帯電話にはすべて検索が標準で組み込まれているで1億総国民が簡単に検索できる時代になってしまったのです。携帯電話の検索で名前を検索してみてください。今日仮にほっとしても、5年後ほっとできる保証はありません。

池田信夫さんのブログにもこれに関連した問題が取り上げられています。
ネット規制とムーアの法則

ムーアの法則によって流通する情報の量は指数関数的に増えるので、その中から必要な情報を選んだり、有害な情報を排除したりするサービスへの需要が増えてくるのは当然だ。グーグルのようなテキスト検索は、そうした情報選択の原始的な段階であり、今後は意味を理解して情報を選択するシステムが必要になるだろう。


こと自分に関して言えば、どんな情報が正しい情報か判断できるのは自分しかいないわけです。必要な情報を選んだり、有害な情報を排除できるのは自分しかいません。

僕はもはやウェブは法で規制できる領域ではなく、新しい社会構造におけるこれまでとはまったく異なるルールが必要だという認識でいます。

日本は特に人の信頼性を重視する社会ですから、今はこれまでの抑圧の反動で匿名のある掲示板やブログで言いたい放題言っていますが、むしろこれからの10年はそのような無責任なウェブ社会を放置せず、安心、安全に利用でき信頼性の高いウェブコミュニティ作りが必要だという認識に変わってくると信じています。みなさんもそう思いませんか。

さてウェブにおける実名制の価値を見てみると、
Facebookの一人当たりの価値:41000円(実名メイン)
mixiの一人当たりの価値:17000円(ニックネームメイン)
StudiVZ(ドイツ版Facebook)の価値:13800円(実名メイン)
Greeの一人当たりの価値:11500円(ニックネームメイン)

もちろんこれらはプロフィールデータベースの価値だけでなくサービスやコミュニケーションの価値、ソーシャルグラフの価値など複合的な価値から算出されています。ただ人に関して言えば、20歳以上の成人の実名のビジネスプロフィールデータ、しかも公開データがどれだけの価値を持つかはある程度推定できるのではないでしょうか。

そしてまだウェブ社会のウェブアイデンティティーの認知の高まりは始まったばかりに過ぎません。Roboとしてはまずこのサービスと付加価値の先駆者でありたいと思います。

みなさんもだまされたと思ってまず自分の名前で登録して名前の検索結果のポジションをおさえておいてはいかがでしょうか。

※名前によって検索結果の上位に表示されるかどうかは異なります。芸能人と同じ名前やすでに同姓同名で影響力ある人がいる場合は上位を取ることは非常に厳しくなっています。またGoogleYahoo!への検索結果へインデックスされるには最大で3ヶ月から6ヶ月かかる場合もありますのですぐには結果が出ませんのでご了承ください。ですので早めに取り組んだほうがいいのは間違いありませんが。。。

http://www.sbibusiness.com/

ちなみに僕のプロフィールはこちらです。
Yahoo!では1位と2位、Googleでは1位と9位が自分のコントロール化にあります。

こんな記事も出ていましたのご紹介します。
ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!!

SBI Robo 渡部薫