新プラットフォームとモード

REMIX07 TOKYO 期間中ということもあり、Silverlight も正式版になり Microsoft 方面が盛り上がってきています。Live Dev のドキュメント量も充実してきています。

さて、AdobeFlash (Flex), AIR、Microsoft の Silverlight、Google の Gears と、クライアント寄りのインフラ部分が出始め、インフラが普及すると、アプリケーションが普及していくという歴史は繰り返すでしょう。OS のひとつ上のレイヤーで、クライアント側の第 2 ラウンドの開始です。

Silverlight については、Windows XP SP3 や Windows Vista SP1 に一緒に突っ込むという力技が使えますので、ランタイムベースでは、来年中旬には一気にナンバーワンになる可能性があります。そしてそれをやらない理由も無いと思います。

Adobe は、PDF をプラットフォーム化し、Flash (Flex) をプラットフォーム化し、標準化とプラットフォーム化が上手ですので、うまくやってくると思います。まずは、プラットフォームとしての成熟度を上げるという姿勢を見せているあたりも、さすがに分っているなぁと思います。コロコロと変わる API に振り回されるのは辛いですからね。

Gears は、少し触ってみましたが、なるほどという仕組みのローカルデータベースで、ウェブのアプリケーションをクライアント側に寄せる一歩だと評価しています。

おそらく今年暮れごろから来年にかけては、スマートクライアントやリッチクライアントと呼ばれるクライアントが、ウェブブラウザ上で動く Ajax アプリに対抗し始める年になると考えています。

ポータブルなアプリケーションということでは、オフラインまで考慮された新しいプラットフォーム上の方が、既存のウェブ + Ajax アプリケーションよりも利用シーンにおいて圧倒的に有利です。インタフェースとしてのウェブにこだわる必要はなくなると考えています。そうなると、10年前から進歩していないウェブの不自由なインタフェースから、もう少しモダンなインタフェースへとシフトできる日も近いでしょう。

ポータブルなと書きましたが、モバイルでの不安定なネット接続状態やオフラインの状態に対応したアプリケーションが、ポータブルなアプリケーションと言えます。無線 LAN や WiMax など、外でのネットワーキング環境は良くなりつつあり、次はその環境に対応したアプリケーションが普及していく番です。

 アプリケーション技術者に求められる技術の中心も、従来のサーバ側に加え、クライアント側の比重が高くになり、より幅広い視点を求められるようになるでしょう。サーバの重要な役割は、データ中心のコンピューティングと入出力 I/F のデザインとなり、パワーのあるクライアント側にプレゼンテーション層は移っていくことになります。クライアント側は、イベントの発火と同期/非同期なイベント処理、そして UI のデザインとなっていきます。

森田::