Finance2.0ってなに?

検索を軸にファイナンス2.0を制するSBIホールディングス


Finance2.0ってあまりぴんと来ない人が多いようなので少しだけヒントを書きます。そもそも金融とサーチエンジンの組み合わせで何をするのかもよくわからないなーという人も多いようなので参考になればと思います。


Googleサーチがなぜここまで支持されたか。96年〜99年当時全文型検索エンジンAltaVista、Infoseekとか)は検索結果があまりよくなかったんです。そこでGoogleはみなさんもご存知の通り、PageRank(ページランク)という技術を持って、無秩序なウェブページの価値をきちんとランキングして、ユーザが探したい情報を的確にリスティングすることができるようになったのです。Googleの強さはサーチだけでなく、AdWordsAdSense、次から次へと繰り出す新しいサービス、API、など世界中の技術者を虜にする魅力などありますが、出発点はサーチエンジンではなくページランクに基づくランキングテクノロジーで、この技術がウェブの情報配信のあり方を変えた、というのは事実です。


そしてWeb2.0Web2.0といえば、Blogに始まり、WikiSNSマッシュアップCGMなど専門用語で言われますが、要は情報配信も、情報の価値も信頼性もみんなでやろうよ、という共有知だったり集合知の力が作用しているんです。簡単に言うと今まではマスメディア(テレビ、新聞、出版社など)が持っていた情報の力が個人にも開放されて、ロングテールな情報にも必ず誰かが価値を見出すことができるようになったということでしょうか。


さて、金融とサーチ、Web2.0の話ですが、金融や経済の最も基本的なものってなんだったでしょうか。そう、それは「お金」ですよね。そして悲しいかな、20世紀の資本主義社会はこのお金の世界がとことんまで追求された時代でした。金本位主義の金から不動産、債券、株式、為替、先物などへ金融商品は進化してきました。すべてを紐解いていけば行き着くのは価値=お金です。


僕たちの住む現代社会において唯一絶対的で客観的な価値判断基準があるとすれば、そう、これも悲しいかなお金なんです。人は年収によって価値を決められることがあるし、スーパーで売っているものにはすべて値段という価値が付いています。サービスにだってすべて値段があります。人がその価値を判断する上で20世紀という時代はお金によって支配されてきたのです。


そう、お金は人、モノ、情報の価値を決めるランキングテクノロジーと言えるのです。


今、情報化社会の情報の価値はGoogleのランキングが決めています。それではこの21世紀の情報化社会が進化していったら、情報の価値はこのままGooglePageRankが決めてしまうのでしょうか。あなたの本当の価値は一体だれが決めるのでしょうか。Googleですか、それともお金ですか。


もしあなたが持っている10万円にあなたが費やすモノや情報へのハイパーリンクがバックリンクとして数えることができたらどうなるでしょうか。他の人が持つ同じ10万円とあなたの持っている10万円という価値がPageRankテクノロジーによってランキングすることができるようになるのではないでしょうか。そしてあなたの持つ価値はロングテールの中で決して誰か一人(Google)が決めるランキング技術によって決められるものではなく、他の誰か(Web2.0)の集合知によって決まっていくのではないでしょうか。


そのような仕組みのあるウェブの金融の世界をFinance2.0と呼ぶのかもしれません。これから少しずつですが形として出すサービスを待っていてください。


iRobo (インターネット・ロボ・レポーター)